2021-12-29 時の輪 詩人は嘘をつく ずるりと音がしそうな風情で 振り向けば なにやら時の輪が今にも千切れそうだ 途切れれば夜も消え 消えれば世も千切れるであろう かくして昼だけの国になり 夜を忘れた人らが闊歩する街になったと いうわけだ ずるりと音がしそうな風情で 振り向けば なにやら時の輪が今にも千切れそうだ 美しい光景は 案外残酷なのかもしれないよ とどまってはくれぬのだから