猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

少し身構えて、少し忘れて。

今日、待っている。

少し身構えて、少し忘れて。

平皿ばかりで事足りるだろうと、いつまでも買わなかった深皿。

やはりどうしたって、パスタやカレーを食べるのに、皿が浅すぎると心がウロウロする。

それで、一枚ずつ揃えることにしたのだった。

 

食器棚は、小さなアートや人形たちの住処になっている。

キッチンの引き出しに入るだけの食器と暮らす。そう決めたのは、数年前。以来、食器を新しく迎え入れることに慎重だ。

 

ある日、料理を盛るのに少し困ったことがあった。

平皿ではあふれてしまいそうだし、丼も何か違う気がする。

結局、平皿を選びはしたものの、やっぱり心がウロウロした。

 

今日、待っている。

少し身構えて、少し忘れて。

深皿が届くのを待っている。