今日、待っている。
少し身構えて、少し忘れて。
平皿ばかりで事足りるだろうと、いつまでも買わなかった深皿。
やはりどうしたって、パスタやカレーを食べるのに、皿が浅すぎると心がウロウロする。
それで、一枚ずつ揃えることにしたのだった。
食器棚は、小さなアートや人形たちの住処になっている。
キッチンの引き出しに入るだけの食器と暮らす。そう決めたのは、数年前。以来、食器を新しく迎え入れることに慎重だ。
ある日、料理を盛るのに少し困ったことがあった。
平皿ではあふれてしまいそうだし、丼も何か違う気がする。
結局、平皿を選びはしたものの、やっぱり心がウロウロした。
今日、待っている。
少し身構えて、少し忘れて。
深皿が届くのを待っている。