昔々のある雨の午後。
あるアーティストに相談にのってもらったことがある。
かれこれ10年は経つだろうか。
作品には物語のような不思議なタイトルがつけられ、各地で個展が開催され、筆者の住む街にもその人はやってきた。
会ってみたい。
不思議なタイトルについて尋ねてみたい。
在廊時刻が公開されていたが、だからと言って会話できる時間が設けられているかどうかもわからない。ダメ元で会場へ向かった。
当時、自分の作品にしっくりくるタイトルをつけるのが苦手で(今もだが^^;)、詩を書くのもブログを二つ(現在は三つ回している)運営するのも、少しばかり飽きがきていたのである。
いざ会場についてみるとそれほど列もできておらず、ゆっくり話ができるようであった。
ほどなく筆者の番となった。
アーティストは丁寧に話を聞いてくれ、少しばかりのアドバイスと励ましの言葉をいくつもくれた。それだけで充分だった。
その人のおかげで、今でも詩を書いている。
昔々、誰かに話した(かもしれない)物語である。