猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

白い猫と黒い猫

白い猫と黒い猫が

しっぽをからませたぬいぐるみが

とてもとても好きだった

 

そのまま抱えていては

注目の的

バッグに入れれば

ハンカチもポケットティッシュも行き場をなくす

車なら同乗者の不興を買う

 

それでついには

ぬいぐるみにも猫にも

気のないそぶり

 

本当に大切で

本当に好きなものは

親に隠したほうが

みんなの笑顔につながる

そんなことに早いうちから

気づいてしまったから

 

子どもでいるのもなんと面倒なものか

 

こっそりため息をついた

小学生の夏休みだった

 

 

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