2019-05-01 再会 ふたり 道路に穴を穿つより 心に穴をこさえるほうが どれだけ容易いことか きみは 真面目な調子で呟く 悪い冗談を舌にのせる癖はそのままで 妙に悲しげに 荷物持つよとささやくところも相変わらずで 思い出したように これ好きだったでしょと オレンジキャンディを手の中に押しつけてくる 終わりにしてよかったと 頭ではわかってるけれど 愛情ひとつもなかったのだろうかと きみの表情を盗み見た