猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

再会

道路に穴を穿つより

心に穴をこさえるほうが

どれだけ容易いことか

 

きみは

真面目な調子で呟く

 

悪い冗談を舌にのせる癖はそのままで

妙に悲しげに

荷物持つよとささやくところも相変わらずで

 

思い出したように

これ好きだったでしょと

オレンジキャンディを手の中に押しつけてくる

 

終わりにしてよかったと

頭ではわかってるけれど

愛情ひとつもなかったのだろうかと

きみの表情を盗み見た

 

 

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