人の心ほどではないに違いない。
絡まった鎖を不器用にほぐしながら、女は思う。
時を経ても、傷は広がり続けるか深くなる。
忘れられないのはこちらだけだとしてもだ。
納得と疑念がよりよりより、とねじられひねられ見えない枷となっているのは、誰より知っているとしてもだ。
あなたが、嫌いだ。
似過ぎていて大嫌いだ。
女の指先に力がこもり、鎖を取り落とす。
ふう、とため息をつきまたやり直す。
あなたが、好きだった。
大好きだった。幻想だったけど。
小さく軋む音がして、手元が軽くなる。
女はペンダントを胸元に飾った。