猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

みょうと

時は容赦ないが

もっと優しく生きようと思った

今までより

澄んだ言霊を交換できるのは

この上なく幸せである

 

時は容赦ないが

もっと空を見上げようと思った

 

幼い頃よりずっと狭くなっているが

それでも

空は全てを受け止め続けてくれる

 

テレビもパソコンも

ワープロも手放して

僕たちは古いラジオを手に入れた

遠い街で誰かが作った

素敵な音楽を聴ければそれでいい

 

覚めない夢をみたくなったら

映画館に行けばいい

活字に飢えたら

図書館に行けばいい

 

美しい風に包まれたければ

愛してると

何度でもあなたに告げよう

 

食卓に並ぶのは

僕たちの気分に合わせて

ご飯だったりパンだったり

半分こして頬張れば

それはそれは贅沢なひと時になる

 

置き去りにするたび

何かが近づいて

思い出すたび

何かを遠ざけるのは

仕方ないのだけど

 

愛してると

何度でもあなたに告げよう

 

美しい風に包まれたいから

 

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