高熱で寝込んだ。旅から帰って二日目のことだ。
体内時計が壊れる。
いくつかのキャンセルを電話連絡した記憶はあるのだが、寝込んだ三日のうち丸一日分の時間がぽっかり抜け落ちる。
テレビは見ない。
スマホも見ない。
PCも開かない。
ラジオも聴かない。
音楽も聴かない。
インターホンに…は、かろうじて返事をした、それは覚えてる。
目が覚めれば“猫街ラベルの天然水”で喉を潤し、
気力があれば、一口ゼリーを頬張りまた眠る。
ぱち、ぱち。
やさしい花火の音が聞こえて、今度はちゃんと目が覚めた。
みかんが食べたいな。唐突に無性にそんな思いが浮かんだ。