猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

見送り

懐かしく奏でられている

母に抱かれるような

父と手をつなぐような

 

懐かしく奏でられている

体の中から頭の中から

 

知らない旋律の

血脈の

誰に教わったのか

誰が口ずさんだのか

 

懐かしく奏でられている

微笑みの中から涙の奥から

死の途を歌う