猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

魔-3

とりあげるものが

すっかりなくなると

つまんないわ

 

そんな妙な理由で

ようやくきみから解放される

外は雪

恋人たちは夢の中

きみは全てを僕に返すと

 

「また明日ね」

さびしそうに笑う

 

赤い実も

黒い実も

飽きちゃったわと

散々もてあそんだものだから

今や

僕の視界はほんのり歪んで

拍動はこの上なくリズミカル

 

僕は願う

強く願う

最後にそれをとりあげられるまで

きみのことを好きでいられるように

 

 

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