猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

名前

名前を手放した

ねちっこくその舌で

あなたが呼ぶから

 

名前を手放した

それはもともと

あたしのものだと

思えないから

 

共有していたものは

一体なんだったんだろう

いまはただ苦いだけだ

 

名前を拾った

まどろみの中

誰かが放った言霊を

なつかしい痛みを