猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

黒い楽器を手放した日

奏でることをやめた日

雪が降った

五線に書かれた粒々はすでに無意味で

心から楽しいとは思えなくなった

 

黒い楽器を手放した日

ほんとにほんとにようやくようやく

心の底から

ああ音楽が大好きだ

なくてはならないものだ

命を器を潤す最上のものだ

 

生まれて初めて魂が歓んだ

 

奏でることをやめた日

雪が降った

五線に書かれた粒々はすでに無意味で

僕は黒い楽器を手放した