猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

孤独考-3

この時代、完全に孤独な状況に陥るのは不可能に近い。

よほど意識していないと、難しい。

恐ろしいことに、称賛も断罪も指先をちょちょっと動かすだけでよい。

 

だが、心はたやすく孤独になる。

孤独だと思いこんでしまう。

決して悪いことではないのに「良いことではないのかも」という考え方が脈々と受け継がれてきたからだろう。

 

孤独と寂しいは同義語ではないのに、なかなか切り離せない。

恋人と一緒にいた頃、どれほど不安で孤独だったろう。結局は、互いの「孤独感」が膨れあがって、たちゆかなくなった。

 

「寂しい」が続き、泣いてばかりだった。

だが、二人でいた頃よりずっと「孤独」は軽くなった。

その人の声も顔も思い出すことはない。

 

濾過できたのか、吸収してしまったのか。

どちらでも構わない。

今となっては。

 

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