猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

心を診る猫の医者-4

お腹がちっとも空かない日と

お腹が空いて仕方ない日が

あるんです

 

いつも同じリズムでいたいのに

なんでかな

 

心を診る猫の医者のもとに

不安げな様子の

少女がやってきました

 

その子の体内に

痛いところや苦しいところ

腫れや傷がないのを

よくよく確かめて

心を診る猫の医者は

こう訊いてみました

 

編み物は好き?

 

どうかな

ママはもつれさせるからって

毛糸はいつも飾ってるだけなの

 

なるほど

では

いつか駅のホームで素敵なことが

起こるので

それを大事にするといい

きみのご家族お手製の

甘酒のキャンディーを

ポケットに忍ばせておきなさい

大丈夫

違うリズムが訪れたり

同じリズムに気づかない

そんな時が続くことは

不思議でもなんでもないのですよ

 

心を診る猫の医者は

「お大事に」のかわりに

短く「にゃっ」と鳴きました

 

f:id:Sala-Y:20191023115219j:plain