“風やすみ”が起こっているので
何となくふわふわした心持ちのままです
サコッシュの中には落ち空のカケラ
手には頑丈そうな傘をしっかり握って
鍵しっぽにいつもより気持ちを込めて
詩人屋さんは森はずれの友人の家までやってきました
毛糸屋さんはその昔
雪だるまの満月にため息をついたことがあるらしいけれど
詩人屋さんは本当の猫みたいにそわそわどきどき
ため息どころではありません
二本足で生きることを選んだ旅猫仲間なのに
ずいぶん不公平だこと
うふふ
詩人屋さんはクスクス笑いながら
友人の家の前で
もう一度雪だるまの満月とにらめっこ
昔々
ふざけて誰かがくっつけた
小さい小さいお月様をね
見えたり見えなかったりするのも
きっと生きてる証
そんなものなのでしょう
さて
三つ目のご先祖様に感謝しましょう
棚の後ろに隠れずにここまで来れたなんて
とっても素敵なことなんですもの
あとは
岬の風が早く戻ってくるといいのだけど
いつになるやらだわ