猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

風やすみの岬-3

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“風やすみ”が起こっているので

何となくふわふわした心持ちのままです

 

サコッシュの中には落ち空のカケラ

手には頑丈そうな傘をしっかり握って

鍵しっぽにいつもより気持ちを込めて

詩人屋さんは森はずれの友人の家までやってきました

 

毛糸屋さんはその昔

雪だるまの満月にため息をついたことがあるらしいけれど

詩人屋さんは本当の猫みたいにそわそわどきどき

ため息どころではありません

 

二本足で生きることを選んだ旅猫仲間なのに

ずいぶん不公平だこと

うふふ

 

詩人屋さんはクスクス笑いながら

友人の家の前で

もう一度雪だるまの満月とにらめっこ

 

昔々

ふざけて誰かがくっつけた

小さい小さいお月様をね

 

見えたり見えなかったりするのも

きっと生きてる証

そんなものなのでしょう

 

さて

三つ目のご先祖様に感謝しましょう

棚の後ろに隠れずにここまで来れたなんて

とっても素敵なことなんですもの

 

あとは

岬の風が早く戻ってくるといいのだけど

いつになるやらだわ