猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

かすかな記憶

うちの子じゃない

 

涼しい顔して

そんなことを言う人たちと

ようやくあちらとこちらに

別れ別れに

 

平気な顔して

寂しがって見せる人たちに

ふざけないでよとも

口にできず

 

近しいのに気を遣って

近しいから分かり合えない

 

思い過ごしは少なく

だが

今となっては喧嘩もできず

 

うちの子じゃない

 

一番近くて一番遠い人たちから

降ってくるのだから

記憶はそれほどでもないが

ついた傷はそれ相応だったに違いないのだ

 

覚えてないだけだ

ただ

 

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*キスゲ:花言葉「日々あらたに」