あふれるつぶやきに
視界はさえぎられ
それが嫌で
僕はSNSから離れた
数十秒に一度
スマホがぶるると鳴いて
愛する人からの声は
すっかり隠されてしまう
それが悲しくて
僕はSNSから離れた
友達ではない人と
友達になるのは興味深かったが
本当の世界を見失いそうで
怖かった
あふれるつぶやきに
空間は侵食され
それが嫌で
僕はSNSから離れた
顔が見えなくても
通じあえる出来事だって
なくはなかったが
愛する人の姿を
どこにも探せなくなって
それが悔しくて
僕はSNSから離れた
いつか隠されたほんとの世界が
見つかるといいのに
彼はそう言って去って行った