猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

友人

メモという言葉を

安易だからと

決して使おうとしない友人がいる

 

どこにでも転がっているのだし

誰だって使っているのだし

短くても通じるのだし

拘らなくてもいいんじゃないの

 

尋ねてみても

だから嫌なんだと

可笑しそうに笑う

 

人が使ってるのは別にいいのよ

メモ魔と呼ばれるのも悪くない

だからって

堂々とメモ屋と名乗るのも

どうかとは思うけどね

 

分かったような

分からないような

不思議な理屈をもっともらしく

友人は紡ぎ

はいはい、といつものように

私はうなずくのだ

 

そんなことより

美味しい紅茶を飲みに行こう

ほら

書き留めておいたの

 

大事そうに手帳の1ページを

見せてくれて

屈託なく笑った

 

違うことをよしとする

違うことを楽しみあう

平和の基本って

きっとそんなもんだ

 

星は溺れかけていても

あなたが笑っていられるように

なんとなくそんなことを

ささやかに祈ってみた

 

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