猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

愛しき

ふにゃふにゃの気配が

足元をくすぐる

足がつるよ〜と小さく文句を言っても

お構いなしだ

 

ややあって

小さな小さなエンジン音が

響いてきて

ふにゃふにゃの生き物は

ずっしりした重みを遠慮なしに

あずけてくるのだ

 

いつまでも、を願いたくなる

儚いものだ、と諌めたりもする

今が幸せなら、とも言い聞かせる

 

相手は

相手の時間は

こちらよりずっとずっとはやく短いのに

 

そんなことを思う

 

永久を見つけようと足掻き

その中にいるのかも、と夢想し

わがままな自分につきあっているうちに

こちらも眠気に包まれるのだ

 

朝になって

ふにゃふにゃの気配が近くにないことが

増えてきた

 

そうか

初夏が近いんだな

 

f:id:Sala-Y:20220326100953j:plain