先輩でも後輩でもなかったその人は
テキパキテキパキなんでも得意で
かと言って
決して背負いこみすぎず
決して押しつけすぎず
笑顔も泣き顔もあけっぴろげな人でした
そんなふうに理解していたのですが
氷山の一角とはよく言ったもので
あるときシュレッダー行き資料の裏側に
その人の美しい文字で小さくぎっしりと
あることないこと刻まれているのを
見てしまいました
先輩でも後輩でもなかったその人は
やがて
さまざまにバランスを崩すことになるのですが
先輩でも後輩でもなかったその人は
テキパキテキパキなんでも得意で
かと言って
決して背負いこみすぎず
決して押しつけすぎず
笑顔も泣き顔もあけっぴろげな人でした