猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

氷山の一角

先輩でも後輩でもなかったその人は

テキパキテキパキなんでも得意で

かと言って

決して背負いこみすぎず

決して押しつけすぎず

笑顔も泣き顔もあけっぴろげな人でした

 

そんなふうに理解していたのですが

氷山の一角とはよく言ったもので

あるときシュレッダー行き資料の裏側に

その人の美しい文字で小さくぎっしりと

あることないこと刻まれているのを

見てしまいました

 

先輩でも後輩でもなかったその人は

やがて

さまざまにバランスを崩すことになるのですが

 

先輩でも後輩でもなかったその人は

テキパキテキパキなんでも得意で

かと言って

決して背負いこみすぎず

決して押しつけすぎず

笑顔も泣き顔もあけっぴろげな人でした