前世よりもっとずっと前、冬眠する生き物だったことがある。
などと口走れば、たちまち生きづらくなる世の中だ。
見えないものは今日もそこかしこに満ちているというのに。
それはともかく、冬眠体質を過去から受け継いでいるという感覚は、確かにある。
晩秋、朝日は待ちくたびれるほど現れやしないし、夜は夜で落ち続ける砂時計にどこか似ている。そして、夏の間は見向きもしなかったドライフルーツを買いあさっているわたしがいる。
普段、生の果物はそれほど口にしない。
以前にもどこかで書いたが、体調によってはお腹を下してしまうからだ。
夏のスイカ、冬から春のイチゴ、秋に出回る数えきれないほどのフルーツとあまり仲良くできないのは慣れっこである。
今年も、冷え込む季節がやってきた。
我が家はドライフルーツが定番おやつとなっている。
コンビニで無添加商品が手に入るようになったのも、この冬のひそかな楽しみなのだ。