猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ドライフルーツ

前世よりもっとずっと前、冬眠する生き物だったことがある。

 

などと口走れば、たちまち生きづらくなる世の中だ。

見えないものは今日もそこかしこに満ちているというのに。

 

それはともかく、冬眠体質を過去から受け継いでいるという感覚は、確かにある。

晩秋、朝日は待ちくたびれるほど現れやしないし、夜は夜で落ち続ける砂時計にどこか似ている。そして、夏の間は見向きもしなかったドライフルーツを買いあさっているわたしがいる。

 

普段、生の果物はそれほど口にしない。

以前にもどこかで書いたが、体調によってはお腹を下してしまうからだ。

夏のスイカ、冬から春のイチゴ、秋に出回る数えきれないほどのフルーツとあまり仲良くできないのは慣れっこである。

 

今年も、冷え込む季節がやってきた。

我が家はドライフルーツが定番おやつとなっている。

コンビニで無添加商品が手に入るようになったのも、この冬のひそかな楽しみなのだ。