胞子のようにしたたかに
図太くなれたら
生きるのはあるいは
もう少し楽だったのか
人に生まれてきたからこそ
そんな妄想すら幸せなことなのだと
気づきもしないで
ぶつくさ繰り返す
遺るのも遺すのも
なんとたやすいことだろうかと
胞子に憧れ夢を見る
自分から自分が生まれ
そのまた自分から自分が生まれ
生まれた自分からまたまた自分が生まれ
街を国を星を自分が埋め尽くしていく
何も心配することなく
何も悲しむことなく
さびしくなくなるその日まで
風を水を空を自分が埋め尽くしていく
胞子のようにしたたかに
図太くなれたら
生きるのはあるいは
もう少し楽だったのか
人に生まれてきたからこそ
そんな妄想すら楽しめるのだと
気づきもしないで
ぶつくさ繰り返す