猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

胞子

胞子のようにしたたかに

図太くなれたら

生きるのはあるいは

もう少し楽だったのか

 

人に生まれてきたからこそ

そんな妄想すら幸せなことなのだと

気づきもしないで

ぶつくさ繰り返す

 

遺るのも遺すのも

なんとたやすいことだろうかと

胞子に憧れ夢を見る

 

自分から自分が生まれ

そのまた自分から自分が生まれ

生まれた自分からまたまた自分が生まれ

街を国を星を自分が埋め尽くしていく

 

何も心配することなく

何も悲しむことなく

さびしくなくなるその日まで

風を水を空を自分が埋め尽くしていく

 

胞子のようにしたたかに

図太くなれたら

生きるのはあるいは

もう少し楽だったのか

 

人に生まれてきたからこそ

そんな妄想すら楽しめるのだと

気づきもしないで

ぶつくさ繰り返す

 

 

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