ホットサンド作りが好きな男と
暮らしていたことがある
何かというと
キッチンに立ち野菜を刻み
じゅう、と卵やハムを適当に炒め
6枚切りのパンに
色とりどりのおかずを挟み
ぎゅう、とホットサンドメーカーの蓋を閉める
すぐにいい匂いがしてくるが
「まだまだ、ちょっと焦げたかなという感じがいいのだよ」
と甲斐甲斐しく火加減を調整する
男と半分こした野菜たっぷりのホットサンドは
今でも思い出ランキングの結構上位に
居座るほどだ
男が今どこでどうしているかは
知るよしもないが
あの日のように野菜だらけの具材を
はさみこんでみたくなる
半分は朝食に
半分は昼食に
それもまた心弾む