猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

雨が雪を黒く染めれば

雨が雪を黒く染めれば

やがて春がやってくる

 

心に降る雨は

何も染めてはくれないのだ

 

引き裂かれようが

血が流れようが

洗い落とすことも

逃れることも

叶わず

そのまま片隅に

追いやっているだけに過ぎぬ

 

雨が雪を黒く染めれば

必ず春がやってくる

 

心に降る雨は

何も教えてはくれないのだ

 

千切れようが

燃え盛ろうが

消し去ることも

縫い合わせることも

叶わず

そのまま片隅に

追いやっているだけに過ぎぬ

 

時が移ろい

街も移ろい

そしてようやく立ち上がれば

心もほんのり赤みを帯びるのである

 

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