猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2分遅れのラブレター

今年の誕生日

初めてきみと一緒にいられなくなった

互いに仕事が面白くなってきた頃だし

行き帰りの運転席だけがほっとできる時間

そんな日も増えてきた

 

それはそれで

幸せだけど流されがちでもある

それはこの際置いといて

 

不思議と同じラジオ番組が好きで

録音しなくても数日前まで遡れるから

しばらく会えずとも話題には事欠かない

 

今年の誕生日

初めてきみと一緒にいられなくなった

たまたま北へ出張で

きみは南へ出張で

 

じゃあ

何時何分頃にあの番組を聴こう

どちらからともなく

LINEでそんな約束を交わす

 

リクエストコーナーが始まり

アプリを立ち上げれば

きみのいる場所よりも

2分遅れて番組が流れている

 

初めてふたりで行ったライブの

アンコール

そして短いメッセージと

ふたりだけの合言葉が

ラジオアプリから立ちのぼる

 

今年の誕生日

初めてきみと一緒にいられなくなった

それでも

心はやさしく寄り添っている

 

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