猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

いちねんせい-1

思えばこの星の住人全てが

いちねんせいだった

否応なく

構築と崩壊のロンドの中に

投げ込まれたのである

 

すなわち

噂に惑わされ忌み嫌う風潮がいっそう濃くなり

善意も悪意もひとり歩き

離れ離れになる命たち

それでも繋がろうとする命たち

「大丈夫」「平気」のボタンをかけ違えて

この星の住人は右へ左へおろおろうろうろ

 

だが

いちねんせいであるから

それは致し方なく

笑いごとも泣きごとも不安の色して

積もりに積もり

構築と崩壊のロンドは

止むことを知らない

 

考え抜いても悩み抜いても

時は風に煽られて止まらない

 

それでも

思いは

愛は

届いたろうか

蹴散らされることなく届いただろうか