猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

肉親

深夜スマホが震えて

その知らせを運んできた

疎遠になった妹たちに

滅多に使わない一斉送信

 

こんな時代でも

こんなご時世でも

長男は長男なのである

 

それぞれの人生が混じり合ったのは

今思えばほんのひとときだったろう

 

どした?と半分寝ぼけた妻に

既読のつかない画面を差し出し

二人して泣き笑いの顔を見合わせた

 

深夜スマホが震えて

その知らせを運んできた

9年前の冬の日である