猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ただいまの前に

靴を脱ぎ捨てた

 

踏みつけにした若い希望や

殴りつけた青いアイディアが

踵にのしかかるから

 

上着をパタパタ

丁寧に風を通す

 

誰かの歌声や

楽しげな夢が

腰を重くするから

 

マスクの下でも

つくり笑顔

 

うんざり気分を吐き出して

ノブにかけた消毒液で

丁寧に指先や顔を洗う

 

身につけたものを

 注意深くビニール袋に押し込めば

また

なんてことない日が過ぎていく 

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kscz58ynkさんによる写真ACからの写真