猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

深くなる

季節から見放された風を

集める気にもなれぬまま

雨も夏も深くなる

 

望めば

星のどこにいても

(あるいは星の外にいても)

何気ない会話から酒席まで

叶うのに

虚しさに寝返りだけが増えていく

 

仕事も恋愛も

誰にも会わずに完結する世界は

未来的で少しロマンチックだと

信じていたのではなかったか

 

季節から見放された風を

集める気にもなれぬまま

雨も夏も深くなる

 

いっそう

より深くなる

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