猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

心を診る猫の医者-9

柄にもなく

 

そう

会話の中に登場する

ありふれた言い回しです

 

そうですか

あなたらしくないと

あまりにも言われ続けるのが

苦しくて

それで体も心も

固くなってしまったと

 

人らは

 

「柄にもなくそんなことして」

「柄にもない、似つかわしくない」

「あなたはあなたらしくしてれば」

「そういうイメージじゃないのに」

「柄にもなくやっちまった」

 

などなど

どこか否定的

あるいは照れ隠しに

使うことが多いのだそうですね

 

では

「柄」とはなんでしょう

そう

色であるとか

イメージであるとか

こんな性格なんだろうなとか

 

本質に近いこともあれば

本質から少しばかり遠いこともある

 

お仕事で必要な「柄」を

纏わなければならない

そんな場合もありますけれども

 

「柄」に囚われすぎない

「柄」に染まりすぎない

 

つまり

 

どうせわたしってこんな人だもん…

 

決めない練習をしていきましょう

 

髪色を変えるのに勇気がいるのなら

明るい色のヘアゴムでも

帽子でも傘でもよいのです

 

派手な服装に気がひけるのなら

元気のいい模様のハンカチを

買ってみましょう

 

どうぞよい日々を

 

心を診る猫の医者は

「お大事に」のかわりに

ゴロゴロゴロ〜と喉を鳴らしました

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