ギブスがはずれてすぐの頃
何も持てず
何も拾えず
押すのも引くのも
遠い世界の出来事のようであった
先生の言いつけを守り
(多少、動きの制限がある)
教わったリハビリメニューを
黙々と
数日たち
ドアノブを動かせるようになり
床に落ちたものを拾えるようになり
押すのも引くのも
少しずつ自分の世界へ戻りつつある
生活全てがリハビリになっている
そのことに深く感謝し
療養は続いていく
手持ちの
ブレスレットのサイズは
全て合わなくなってしまったが
これもまた面白い体験である