猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

親子

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「もう?」

「うん」

 

虫が惑うのを確かめながら

老母と短く言葉を交わす

 

「ずいぶんと」

「そうだなぁ」

 

手ぬぐいで汗を拭えば

山はすでに笑っている

 

「なんとも」

「ほんとに」

 

風がさわさわ頬なでて

老母と短く言葉を交わす

 

「この星も」

「かもね」