猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ふるふると

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ふるふると凍える思いを

もてあまして

またぞろ人の記憶について

思いを巡らせていたのです

 

遠い

もしかしたら人になるかならないかの

ほんの

宇宙のカケラでしかなかった頃から始まって

数え切れないほどの思いと

数え切れないほどの輪廻の果てに

この命があるのだとしたら

 

やはり

どんなに片づけたくなる衝動にかられようとも

ないがしろにはできないものだと

深く息をつきました

 

それにしてもこの星はどうでしょう

持たないことは美しいとされ

あふれることは嘲笑の種に

ついには

妄想すら禁じられ

心はますます行き場をなくす

 

星を食いつなぎながら

しがみつき続けているのは

どんな命も同じであるのに

 

ふるふると凍える思いを

もてあまして

またぞろ人の記憶について

思いを巡らせていたのです

 

そうしているうちに

女はようやっとうつらうつら

浅い夢にいざなわれるのでした