猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ゴム風船

やがてくわえるのも飽きて

すっかり小さくなってしまったから

いっそのことかじりついてやろうかと

女は考えを巡らせる

 

夢は一瞬でも

熱は続くのなら

しがみついてもっとねだればよかったのだ

 

やがてくわえるのも嫌になって

すっかり小さくなってしまったから

いっそのこと切り刻んでやろうかと

女は考えを巡らせる

 

赤いゴム風船を軽く振りながら