猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

あな

ふたりが互いをよく知らずにいた頃

僕たちの世界は平和で

思い切りよく木槌でもって

“夢”だの“約束”だのを

傷つくのも厭わず

壁に打ちつけていた


ふたりがわかりあえた頃

僕たちの世界はすっかり傷ついて

“夢”だの“約束”だのを

思い切りよく木槌でもって打ちつけた

寸分違わずそのあなから

全てがひび割れていた