かちんかちんの店には
冷凍庫のそばに時々
頑丈そうな傘が置いてある
忘れものなのか
気まぐれなのか
もう雨の心配をしなくてよくなったというのに
冷凍庫のそばに時々
頑丈そうな傘が置いてある
空が落ち始めて今日で一年
そこにいた人たちが本当はどこへ行ったのか
よくしたもので
やっぱり何ひとつ伝わってはこない
始まり続けることは終わり続けること
そして
循環し続けること
だから
必要以上に悲しんだり悔やんだり
しなくてもいいんじゃないのかな
落ちてきた空を片付けながら
誰かがそう言っていた
壊れかけた星のことを
愛しているわけではないし
しがみつきたいわけではないけれど
多分みんな
ここが嫌いではないのだ
頑丈そうな傘の持ち主も
そうに違いない