猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

雨の日とぼくたち

地面に貼りついたふたりが

これ以上いびつにならないように

ぼくたちは手をつないでいた


雨は興奮と静謐を撒き散らし

コンビニで買った傘が壊れて

むき出しのふたり

キスすら遠い距離で佇んでる


地面に貼りついたふたりが

これ以上春に侵されないように

ぼくたちは手をつないでいた


とどまることも

あきらめることも

心から手放したかった