手紙を見つけました
あの日
あなたのやさしさに救われました
今度
声をかけたらご迷惑でしょうか
走り書きすら残せませんでした
あなたを困らせてしまいそうで
いつものお店
いつもの席で待っています
思い切って話しかけます
そんな言葉にのるほどこどもでも大人でもなく
躊躇なく破り捨てました
彼女にはじゅうぶんわかっていたのです
他愛のない
エイプリルフールの残酷な夢でしかない
誰かの作り上げた虚像と心中する気にもなれず
彼女は昨日のことを忘れることに決めたのです
すっかり燃やすことにしたのです