猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

きみのあたたかい匂い

まとわりついたスポーツタオルを

パンパン叩いて竿に干した

つん

鼻の奥が痛んだのは

きみのしっぽを思い出したせいだ


腕や手首にいつの間にか巻きついてきた

きみのやさしいしっぽを

思い出したせいだ


緋色のスポーツタオルを

ていねいに広げて竿に干した

つん

胸の奥が痛んだのは

きみのあたたかな匂いを思い出したせいだ


春が近いせいだ