猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

食パン

あなたが

気まぐれに買ってきた4枚切りの食パン


冷凍庫には作り置きのおかずが

詰まっていて

あなたは気にせず

わずかな隙間にパンを突っ込んだ


わたしたちは

そんな風に壊れ始めた

とても静かに


週末になって

なんとなくあのパンのことを

思った


美味しいうちに食べたいな


やわやわの焼きたてだった

4枚切りの食パン


あなたがぎゅーっと

冷凍庫に突っ込んだ食パン


すっかり凍えて

まるで

安置されたふたりの感情


わたしたちは

そんな風に壊れ始めた

とても静かに