猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

胸の中の行列

一晩かけて選んだ言葉たちが

胸の中で行列を作ってた


まずはこれ

次にこれ

うーん

やっぱりこれ

そして

それとそれをつなげて

まとめてもいいけど

ああとにかく

丁寧に手渡そう

きみに会いに行こう


だけどきみは

いらないって

たった一言

僕の心に投げつけた


ちりぢりになる行列と

砕け散ったやさしい想いが

まだ悲しみで汚れないうちに

逃げたんだ

きみの視線からできるだけ遠いところへ


想い出は上書きできるって

誰もが言うけど

決してそうじゃなかった


一晩かけて選んだ言葉たちが

胸の中で行列を作ってた

それはそれは幸せそうに

キラキラ輝いていたんだ