猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-8

朝から島中を

ごうごうと雨風が走り抜けています

こんな日は岬にすっかり人がいなくなるので

猫そっくりの店主はまあるい手で

「おやすみします」のプレートを

作っていたのです

 

いつものようにお店の外だと

ビュン!

と連れ去られてしまうので

遠くからでも見えるように大きめのプレートを

窓の内側にぶら下げることにしました

そして

暗くてもよく見えるように

星忘れの毛糸をインクに混ぜておきました

 

学校もおやすみ

毛糸屋さんもおやすみ

星空もほんの少しの間眠っています

 

ごうごうと唸っていた雨風が

とろとろ眠りをさそう音を奏で始めたら

トーザ・カロット岬にも

短い夏がやってきます