猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

夢の出口に一人佇む

本のページを破るように

喜びだけを

きみに手わたせればいいのに


しおりがわりの小さな傷が

悲しみを増幅するから

ぼくはもう

表紙を開けることすらできずにいる


好きなページに行き着くように

心の処理スピードも

改善されればいいのに

しおりがわりの懐かしい涙が

それを拒むから

ぼくはもう

あの日にさえ閉め出されたままだ


本を閉じるような

綺麗な終わりはないのに

本を開くような

素敵な始まりを求めてしまう


いぎたなく眠りながら