空の色したスカートが好きで
あの娘がうらやむほどに
上手に翻して見せた
空の色したスカーフが好きで
あの娘がため息つくほどに
上手に風に流して見せた
空の色した便箋が好きで
あの娘より先に手紙を届けた
くちづけをくれたのに
きみは青が嫌いだって
受けとろうともしなかった
ふたりで暮らし始めていつからか
「晩御飯もお弁当もいらない」
おはようの代わりにきみが言うので
晴れた朝には雨傘を
どしゃぶりだったら麦わらを
玄関先の靴箱の上に
用意するようになった
きみの嫌いな青い色の