猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

きみの嫌いな青い色

空の色したスカートが好きで

あの娘がうらやむほどに

上手に翻して見せた


空の色したスカーフが好きで

あの娘がため息つくほどに

上手に風に流して見せた


空の色した便箋が好きで

あの娘より先に手紙を届けた


くちづけをくれたのに

きみは青が嫌いだって

受けとろうともしなかった


ふたりで暮らし始めていつからか

「晩御飯もお弁当もいらない」

おはようの代わりにきみが言うので

晴れた朝には雨傘を

どしゃぶりだったら麦わらを

玄関先の靴箱の上に

用意するようになった


きみの嫌いな青い色の