猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

見えるようで見えないようで

てのひらに

のるほどの世界しか

見えなくて

どんどん感情がなまけものに

なってくる


知り放題

とり放題

見放題

読み放題

聴き放題


だから

嘘も本当も

そんなにめずらしくなくなって


作ることも

創ることも

歓迎されなくなった


てのひらに載るほどの

未来しかないのなら

笑っても

泣いても

しかたないんだって


いま

空があたりまえに存在するのに

てのひらに雲を眺めて

わかったようなふりを

している


ぼくたちは

何もかも知っているふりを

きめこんでる