猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

その器に気づかない

外にも内にも

無数に抱え込んでいるのに

蓋を閉めても鍵をかけても


ほら

内容物がはみ出さんばかりだ


“満ち足りている”


それこそ憧れのことば

手をフレレバ

そうじゃないと声がするのが

こわくて


“満ち足りている”


そんな顔を装った

誰も見ていないのに


その器は壊れやすい

外にも内にも

大切に隠しているのに

蓋を閉めても鍵をかけても


ほら

中身は空っぽだ