猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

詩人さんと乾燥野菜

食器棚の上に手が届かない。

拭き掃除をしたいのだが、踏み台を倉庫から持ってくるのも億劫だ。

そこで、小さなモップをそーっと浮かせて、ゆっくり埃をかき集めた。

 

かさり。

 

不穏な音とともに、何かが落ちてきた。

びっくりしたはずみで魔法が解け、モップがあさっての方向にすっ飛ぶ。

かさりと音をたてたそれは、乾燥させたほうれん草だった。

 

もしものために買い置いていたのだ。うっかりしていた。

食べてくれろ〜と存在を主張しているようだ。

スープには違う野菜を使ってしまったし…そうだ、ご飯に炊き込んでしまえ。

雑穀を入れることも切り干し大根を入れることもある。水加減が少しばかり多くなっても、いい感じに仕上がる。

栄養的にも精神的にも、もちろんいい感じ。

 

モリモリ食べたら、また掃除の続きを。

(モップはどこだろ?)