猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

アイツ

春雷に怯える夜も

カラクリを憂える昨日も

嘘つきを罵る川面を遠くから眺めては

幾つの真実を共有できるのかと

冷たく笑う

 

蕾ほころぶ朝も

理(ことわり)崩れる街の

幾許かは幸せを拡散できたろうにと

冷たく笑う

 

不安に慣れ過ぎ冷静さを纏うばかりの

日々に飽きたろうにと

冷たく笑う