時折、人らのようにすっくと立つことを選んだ猫そっくりの店主が営む店に出かける。
季節初めの香りで出来た緑の酒。
懐かしい嫉妬心を呼び覚ます、それだけのクッキー。
葡萄の形をした、あの生き物の心臓。
それらを10グールメずつ買い求めるのが、わたしにとっての秋到来である。
いつものを、と告げるだけで、店主がまあるい手で品物を持ちやすく包んでくれるのだ。
いつからその店があるのか、店主がいつから店を営んでいるのか、わたしは知らない。
店主は初めて会った時から、詩人さん、とわたしを呼んだ。
どこか懐かしげに、親しげに。
時折、人らのようにすっくと立つことを選んだ猫そっくりの店主が営む店に出かける。
季節初めの香りで出来た緑の酒。
懐かしい嫉妬心を呼び覚ます、それだけのクッキー。
葡萄の形をした、あの生き物の心臓。
それらを10グールメずつ買い求めるのが、わたしにとっての秋到来である。