猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

詩人屋さんの日常-3(下)

鍋蓋のような空の下

のびをして

にゃあんと鳴いた

 

かき混ぜられた星に

人らの姿は見あたらず

すっくと立ってスタスタ歩こうが

スケッチブックに絵を描こうが

ぎょっとした視線を向けられることもない

 

鍋の中身はいつしか吹きこぼれ

いちばんどうでもいいものが

底に残るの

案外それが美味しいのよねえ

 

あたしは

にゃおにゃお歌いながら

ご機嫌に鍵しっぽ揺らし

ショコラオレンジの街を

スタスタ歩いてる

 

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